青色申告で税金・国民健康保険税を減らす!!

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青色申告とは?

個人事業主の方が確定申告をするときに検討課題となるのが、「白色申告」「青色申告」どちらを選択するかということです。

「白色申告」と「青色申告」の違いを(非常に)大まかにまとめてみると次のようになります。  


「簡易な帳簿」とは「収入金額」や「経費の金額・項目」などを記載した帳簿で決まった様式はないのですが、次の書式が国税庁より公開されています。

「事業所得の簡易な帳簿の様式例」

「農業所得の簡易な帳簿の様式例」

「不動産所得の簡易な帳簿の様式例」

一方、「複式帳簿」とは日商簿記など一般的な簿記で使用する帳簿です。

個人事業主は「青色申告」をすることにより次のような特典を受けることができます。

1 青色申告特別控除

2   純損失の繰越し控除

3   青色事業専従者給与

4   所得拡大促進税制

上記の特典はどのようなものであるのか見ていきたいと思います。

「青色申告特別控除」「純損失の繰越し控除」

1  青色申告特別控除


青色申告の特典と言われて最初に挙げられるのが「青色申告特別控除」です。

「不動産所得」や「事業所得」について青色申告をする個人事業主は、


複式帳簿に記帳し、
損益計算書及び貸借対照表を確定申告書に添付して、
③法定申告期限に提出している場合
には、原則として「不動産所得」と「事業所得」から合計で最高65万円を控除することができます。 

(参考)青色申告決算書(1ページ目が損益計算書、4ページ目が貸借対照表です)

⑵上記⑴に該当しない場合でも、青色申告をする個人事業主は、原則として「不動産所得」と「事業所得」から合計で最高10万円を控除することができます。

また住民税(税率10%)を計算するにあたっても「青色申告特別控除」は適用されるため、節税を図ることが出来ます。

一方 、事業税(税率3%~5%、5%が適用される方が多いです)の計算では「青色申告特別控除」は適用されません。

さらに見過ごせないのが「国民健康保険税」です。

国民健康保険税は税率が住民税より高いことが多いのですが(私の住んでいる栃木県小山市は上限はありますが、12%です)、国民健康保険税を計算するにあたっても「青色申告特別控除」が適用され節税を図ることが出来ます。

概略的な計算になりますが、20.42%の所得税率(復興所得税を含む)が適用される個人事業主の方が「65万円の特別控除」を受ける場合、
⑴所得税 65万円×20.42%=132,730円
⑵住民税 65万円×10%=65,000円
⑶国民健康保険税(小山市の場合) 65万円×12%=78,000円
→⑴~⑶の合計275,730円の節税を図ることが出来ます。

2 純損失の繰越し控除


「不動産所得」や「事業所得」などで損失(赤字)が生じた場合には 、他の所得(黒字)と相殺して、相殺後の所得金額により税額を算出します。

損失のほうが多い場合、「白色申告」 では損失は生じた年で切り捨てられ翌年以降の申告に影響を及ぼしませんが、「青色申告」では損失を翌年以降の3年間に繰越し、所得金額から控除することができます。これが純損失の繰越し控除です。





事業では損失が発生する年もあれば、所得が発生する年もあります。特に事業を始めた頃には先行投資が多く損失が生じやすいものです。

繰越し控除により所得が発生した年における税金の支払いを減らすことは、その後の事業展開への資金確保のために非常に重要です。


上記1・2からも分かるように青色申告をすることにより、

黒字の場合→「青色申告特別控除」
赤字の場合→「純損失の繰越し控除」

を適用して節税を図ることが出来ます。

青色申告は「所得」が生じていても「損失」が生じていてもメリットがある制度です。

青色事業専従者給与

1 「事業専従者控除」と「青色事業専従者給与」


個人事業主は「生計を一にする親族」に支払った給与は原則として経費として認められません。

ただし、次の要件を満たす事業専従者がいる場合は、「事業専従者控除」あるいは「青色事業専従者給与」を不動産所得・事業所得の経費とすることが出来ます。

(要件)
①その年の12月31日現在15歳以上。
②その年を通じて6か月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、個人事業主の営む事業に従事している。
③「生計を一にする親族」である。

ただし、以下のようなデメリットもあります。
①必要経費に算入した「事業専従者控除」「青色事業専従者給与」の額は、その事業専従者の給与収入の金額とされます
②「事業専従者控除」「青色事業専従者給与」の対象とされた人は、「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」の対象とはなりません

「事業専従者控除」と「青色事業専従者給与」の主な違いは以下の通りです。



(注)「青色事業専従者給与」の「支給額の事前届出」は「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」を

①原則 青色事業専従者給与を経費に算入しようとする年の3月15日まで
②例外 その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から2月以内

に提出することにより行います。


白色申告の場合の「事業専従者控除」では最大でも「配偶者」で「86万円」「配偶者以外」で「50万円」しか控除できないのに対し、「青色事業専従者給与」では「労働の対価として相当と認められる金額」であれば「上限なく」経費とすることが出来ます。

2 青色事業専従者給与のメリット

下記の2つの例を比較して、「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」によりどれだけ税金・国民健康保険税の負担を低減をすることが出来るかを見ていきます。

なお、この例の数値は平成29年4月1日現在の法令に基づく概略的な数値です。

(例1)
①「白色申告」をする個人事業主(「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」は適用できません)
②栃木県小山市に在住
③配偶者について「事業専従者控除 86万円」を適用する
→「配偶者控除」は適用しない
④所得は事業所得
(事業専従者控除適用前の事業所得)700万円―(事業専従者控除)86万円=614万円
があるのみ。
⑤所得控除は基礎控除のみ
⑥事業税率は5%

この場合、「所得に関連して」世帯全体で負担する税・国民健康保険税の額は下記の表のようになります(実際には下記の表に記載している負担以外にも住民税や国民健康保険税の均等割など「所得に関連しない負担」が存在するのでご注意ください)。



税・社会保険の世帯全体の負担は2,128,214円となります。

表を作成しながら感じましたが、日本の税・社会保険の負担は非常に大きいですね。

(例2)
(例1)の個人事業主について以下のように条件を変える
①「青色申告」をして複式帳簿により記帳する
→「65万円の青色申告特別控除」を適用する
②配偶者に青色事業専従者給与を年間240万円(月額20万円)支払う

 

「青色申告特別控除」「青色事業専従者給与」を適用することにより世帯全体の税・国民健康保険税の負担は1,485,742円となり、(例1)より642,472円減っています。

負担が減っている主な要因は以下の通りです。

⑴個人事業主の所得税の事業所得の計算上、
(例1)では「青色申告特別控除65万円」が控除されていませんが、
(例2)では 「青色申告特別控除65万円」が控除されています
「住民税」「国民健康保険税」についても同様のことが言えます。

⑵ 個人事業主の所得税の事業所得の計算上、
(例1)では「事業専従者控除86万円」が控除されていますが、
(例2)では「青色事業専従者給与240万円」が控除されているので、
(例2)の方が154万円多く控除されています。
「住民税」「事業税」「国民健康保険税」についても同様のことが言えます。

⑶ (例1)では事業専従者控除86万円が事業専従者の給与収入とされ、(例2)では青色事業専従者給与240万円が青色事業専従者の給与収入とされます。

「事業所得の経費とされた金額」が「配偶者の給与収入」とされるので、青色事業専従者給与の支給により世帯全体の所得は変わらないように感じますが、配偶者の給与所得の計算上給与収入から控除する「給与所得控除」は
(例1)では65万円
(例2)では90万円
となるので、青色事業専従者給与の支給により世帯全体での所得も減らすことが出来ます。
「住民税」「国民健康保険税」についても同様のことが言えます。

このように所得税だけではなく、住民税・事業税・国民健康保険税についても「青色特別控除」「青色事業専従者給与」により負担を大きく減らすことができます。

「白色申告」の方は一度「青色申告」を検討してみてはいかがでしょうか?

私たち「税理士法人あさひ 小山城東本部」では「確定申告書の作成」の他「青色事業専従者給与の適正な設定」や「青色申告書作成のための体制整備」などの相談も行っています。是非ご相談下さい。

お問い合わせは→こちら   

所得拡大促進税制

青色申告の特典の一つに「所得拡大促進税制」があります。


いわゆるアベノミクスでは働く人の所得を上げるということを課題に挙げていますが、この制度は従業員に支給する給与を増やした「個人事業主」や「法人」の税金の負担を軽くしようという制度です。

国税庁のHPでは次のように説明しています。

No.1982 雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除 

また経済産業省からは次のような手引きが出ています。

所得拡大促進税制のご利用の手引き 

上記のHPや手引きを見て頂ければ分かるのですが、内容が非常に複雑で理解するのが難しい制度となっています。

さらに、従業員の数が多い場合は集計作業が煩雑であり、あまり制度の利用がされていないのが実情です。

ただ、場合によっては大きく節税を図ることができる制度であり、従業員の数が少ない場合は集計作業はそれほど手間ではありません。

制度の詳細は「国税庁のHP」や「経済産業省の手引き」に譲りますが、制度の概略を大まかに見ていきたいと思います。

なお、下記の説明は平成29年4月1日現在の法令に基づいています。

1 適用対象者

青色申告書を提出する個人事業主

2 適用の対象となる年

平成26年から平成30年までの各年(事業廃止の年は除きます)

3 制度が適用される条件

次の⑴から⑶の全ての要件を満たした場合に適用されます。

⑴「適用年の雇用者給与等支給額(注1)」が「基準雇用者給与等支給額(注2)」より原則3%以上増加している。

(注1)「雇用者給与等支給額」とは事業所得の経費となっている給料賃金親族以外に支給した金額の合計額です。

(注2)「基準雇用者給与等支給額」とは平成25年の「雇用者給与等支給額」です。

⑵「適用年の雇用者給与等支給額」が「適用年の前年の雇用者給与等支給額」以上である。

⑶「適用年平均給与等支給額」が「適用年の前年平均給与等支給額」を超えている。

⑶の条件は国税庁のHP経済産業省の手引きを読んでも分かりづらく、多くの個人事業主や法人が挫折しているところです。

ここでは「平均給与等支給額」の計算方法を簡単に説明したいと思います。

「適用年」と「適用年の前年」どちらにおいても給料賃金の支給を受けている従業員を抽出する。

②①で抽出した従業員の内、「適用年」において「雇用保険の一般被保険者」に該当する期間がある従業員を抽出する。

(参考)一般被保険者とは


③②で抽出した従業員について、「適用年」において「雇用保険の一般被保険者」である期間中に支給した給与賃金のを合計する。

④②で抽出した従業員について、「適用年」において「雇用保険の一般被保険者」である期間中に給与賃金を支給した回数を合計する。

⑤「③で計算した給与賃金の合計額」を「④で計算した給与賃金を支給した回数」で除した金額が「平均給与等支給額」となります。

「前年の平均給与等支給額」は、①・②で抽出した従業員に対して適用年の前年中に支給した給与について、③~⑤と同様の方法により計算することにより算出されます。


③~⑤の計算過程については、さらに下記の例で見ていきたいと思います。

(例)

従業員の内、上記①と②により抽出されたのがAとBです。

Aは1月から6月まで「一般被保険者」に該当せず、7月から12月まで「一般被保険者」に該当します。

Bは1月から12月まで「一般被保険者」に該当します。

AとBへの給与賃金の支給状況などをまとめた表が以下のものです。



上記③の『「雇用保険の一般被保険者」である期間中に支給した給与賃金の額の合計額』は3,600,000円となります。

上記④の『「雇用保険の一般被保険者」である期間中に給与賃金を支給した回数の合計』は18回となります。

3,600,000円を18で除した200,000円が「平均給与等支給額」となります。

4 所得税額から控除される金額

次の金額の内いずれか少ない金額が所得税額から控除されます。

⑴ (適用年の雇用者給与等支給額-基準雇用者給与等支給額)×(原則)10%

⑵所得税額のうち事業所得に係る部分の金額×(原則)20%

5 平成26年以後に開業した場合

この場合、「基準雇用者給与等支給額」開業した年の雇用者給与等支給額の70%相当額とするとされています。

この規定などにより、開業した年は給与を支給すれば上記3⑴の条件を全てクリアすることができ、この制度を利用することができます。

また、開業した年の上記「4 所得税額から控除される金額」の⑴の式は

(開業した年の雇用者給与等支給額-開業した年の雇用者給与等支給額×70%)×10%

=開業した年の雇用者給与等支給額×3%

となります。

すなわち、新たに開業した個人事業主は

①青色申告をして

②親族以外に給料賃金の支払い

をすればその時点で (一定の制限はありますが)支給した給与の3%が所得税の額から控除されることになります。

実際には、他に細かな規定もあり条件の判定や書類の作成は大変なのですが、当社ではこの制度の適用について多数の実績をもっています。興味のある個人事業主の方や経営者の方は気軽にご相談下さい。

 お問い合わせは→こちら   

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